ごあいさつMessage

2024年5月、単孔式胸腔鏡手術研究会(Japan Uniportal VATS Interest Group: JUVIG)の会長を拝命しました藤田医科大学岡崎医療センター呼吸器外科の須田です。

単孔式手術は4cm以下の傷一つで行う患者さんにとってわかりやすい利益のある革新的な手術手技です。本研究会は、2018年に単孔式手術の手術手技や手術機器の改良を通して、日本における安心で安全な単孔式胸腔鏡手術を確立し普及させること、そして海外に発信することを目指して立ちあげられました。

2021年には研究会として南山堂より日本初の単孔式手術に特化した手術書である「単孔式手術マニュアル(須田隆編集主幹)」を出版しています。現在は、例会での講演および発表以外に、ハンズオン、ウェビナー開催、手術見学施設紹介、手術見学ツアーなどを行っており、今後はビデオライブラリーや海外施設見学などを企画しています。

この研究会に求められていることは、最新の単孔式手術の情報の共有、教育や安全性の確立、精度の高い手技の確立、そしてエビデンスレベルの高い情報を世界に発信することだと考えています。本研究会が日本や世界の単孔式手術発展に貢献できるよう積極的に活動して参ります。皆様の更なるご支援ご協力のほど何卒宜しくお願い申し上げます。

2024年6月1日



単孔式胸腔鏡手術研究会(JUVIG)会長
藤田医科大学岡崎医療センター 呼吸器外科
須田 隆

単孔式胸腔鏡手術研究会発足のお祝い

単孔式胸腔鏡手術研究会の発足に際し、日本呼吸器外科学会を代表してお祝いの言葉を述べさせていただきます。
本邦では、比較的早い時期から胸腔鏡手術(VATS)が普及したせいか、米国で普及しているロボット支援手術(RATS)、アジア、欧州で広がりを示している単孔式VATSとは一線を画した風潮がありました。しかし、国内だけをみていたのでは世界の潮流に乗り遅れてしまいます。
RATSに関しては、日本呼吸器外科学会は内視鏡外科学会と歩調を合わせRATS保険収載にこぎつけましたので、今後国内でRATSの普及が進むものと思われます。一方、単孔式VATSに関しては、学会はJACS fellowshipを創設し、上海肺科病院などに単孔式VATSの見学に行く機会を設けました。日本人の精緻な技術で単孔式VATSをさらに発展させ、逆に世界に輸出するような技術に育て上げていければと思います。
近い将来da Vinci SPが上市されます。単孔式VATSが単孔式RATSと融合する時代も遠からず来るのかもしれません。本研究会がinitiativeをとってこの領域の開拓を進めていただければと思います。
日本呼吸器外科学会は、呼吸器外科alliance構想を進めています。呼吸器外科領域の各種研究会とお互いに協力して、日本の呼吸器外科のために働いていきたいと考えています。

日本呼吸器外科学会前理事長
千田雅之